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映画『対峙』〜赦せない人や過去がある人は観て〜

さやMind

予告編を見て、これは絶対観るべき作品だなと確信があったんだけど、それと同時に観るのに気合が要るなというのも察知していて、「よしっ」と気合が入った日に観た。そんな作品。

その予測はやっぱり当たっていて

ずっと引き付けて離さない凄いパワーのある映画だった!

ストーリーも描き方もすごくシンプル。

6年前に起きた学校の銃乱射事件の「被害者の両親」と「加害者の両親」の対峙。

悲惨なシーンは無く、4人での会話シーンが映画のほぼ全て

過去も彼らの口から語られる言葉を通して観る側に伝えられる。

6年という時間が生んだ「理性」や「疲弊」「喪失感」はどちらの親にも共通していて、憎しみに囚われた過去に生きることから抜け出したい、その「もがき」は多かれ少なかれ誰もが経験したことのある感情なんじゃないかな?だからこそ訴えかけられるパワーがとても強い作品なんだと思う。

正反対の立場にいる人も実はたくさんの共通点があるんじゃないか。
受け入れることとは?
乗り越えるとは?
赦しとは?

観ている間に胸の中に色んな問いや感情が湧き上がってくる。

争いや分断が広がる現代だからこそ生まれた作品なのかなと制作側の想いを想像したりもした

私も子供を持つ親だから、自分だったらどうだろうって登場人物と自分を置き換えて観てる時間も多かった。
「親は子供を正しく導く存在」であるという社会からの責め。正しい道って一体なんなのか? 相手を責めれば、自分を責めれば後悔は薄れるのか?
そんな自分との戦いを6年間してきた「両親たち」の胸中の複雑さが演者4人から伝わってきて、本当素晴らしい作品だった💘

私が心に残ったシーンは、子ども(被害者)の「死が活かされる」=世の中が変わってくれないとその死に価値がない、無駄になってしまうという親の焦燥感を相手にぶつけるシーン。

確かに何か不幸なことが起きた時に”意味づけ”をしてポジティブに捉えたり、自分を納得させることって結構あると思うんだけど、その意味づけが出来ないと逆に「無駄だった」とより絶望することにもなるんだなと。。

加害者の母親が促すことで、子どもが小さい頃の想い出やその時の幸せな気持ちを思い出させて

「そのままで変える必要は無い。価値はそこだよ、もう在るんだよ」っていうことを気づかせる。これは大いに私たちの人生の捉え方にも活きるメッセージだなって思った💡


何かを成し遂げないと全てが無になるんじゃなくて、ただそこに生きていたことで周りに影響を与えていること。

誰もがそんな存在で、意味づけされた価値ではなく、既に在るってだけ。それを気づいて受け入れられるかどうか。

この映画はストーリーが重要なんじゃなくて
目の前にいる4人の姿をただ見て、受け止めること。
4人がやっている工程を観客も鑑賞を通してすることがこの作品の見方なのかな

Reason/理性
Instinct/本能
Hope/期待
Despair/絶望
Rage/怒り
Chaos/混乱
Reglet/後悔
Judging/責め
Relief/癒し

この作品から感じ取った人間のあらゆる感情や本質、ざっと挙げただけでもこれだけある。人間は本当に複雑で色んな感情を持っているからこそ、自分と向き合うことと同じくらい他者を必要とするものなんだなと改めて感じた。

この映画のタイトルは”Mass”なんだけど
乱射事件のことを”mass shooting”っていうからその”mass”だなって思ってたんだけど、カトリック教会のミサも英語だと”mass”らしくて、すごい納得。4人それぞれのカタルシス。

赦せない人がいたり
過去に囚われてる出来事がある人

そんな人は観てほしいし、「乗り越えた」って自負がある人にも観てほしい♡

私はただ楽しい!ってエンタメ映画も大好きだし
こうやって色んなことを考えさせてくれる作品も大好き!

ただ家事して仕事してっていう流れに身を任せるだけじゃなくて、色んなことを考えるって人間の特権だし、考えられるって豊かなことだよなって思う

最後は“感謝”に行き着くね

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